ungavskyのブログ

内省と情熱の間

エスプレッソを求めて(迷走)

マキネッタを作ってみたけれど、圧力をかけるのが怖くてトルココーヒーになったお話。

コーヒーには一家言を持っている。
気に入った豆を気に入った焙煎にして、上手く抽出できれば望んだ味を味わえる。
そりゃそうなんだが、気に入った豆=味をまず知らなければならないし、その味がどうやって出るのかも方向性位はわからなければならない。
幸いにも、この豆でこの味というのはある。扱っていたお店に置かれなくなり、その豆を入手できないのだけれど。

コーヒー遍歴は、インスタントがぶ飲み、いただき物のサイフォンとカリタ三穴ドリッパー、手網自家焙煎、自作折りたたみドリッパー、ネルドリッパー、自作コットンドリッパー(Yシャツ、カーゴパンツ)、ハリオV60、マーナドリッパー、そしてハリオV60とカリタ三穴の併用へ戻る。

豆はグァテマラとブラジルが多い。これは自家焙煎を始めた時に、近所で生豆が買えるお店のラインナップが影響しており、好きな豆はと聞かれたらドミニカっ子のシバオアルツーラと答える。昔、やなか珈琲で買えた時には好んで買っており、上手にドリップできると黒砂糖のような甘みが感じられた。


さて、今の職場にはネスカフェゴールドブレンドバリスタというマシンがある。これは”インスタントコーヒーを美味しくいれる”機械だ。ネスカフェゴールドブレンドの粉をカートリッジに入れておけば、スイッチ一つで5種類のコーヒー(エスプレッソタイプ、ブラック、ブラック(マグサイズ)、カプチーノ、カフェラテ)が作れる。
因みに、エスプレッソ”タイプ”はエスプレッソではない。機械の構造から推測するに圧力はかかっていないし、調べたところ、どうやら濃いインスタントコーヒーにクレマっぽい泡をのせているだけの様だ。でも、微かにエスプレッソの旨味を感じる、気がする。
エスプレッソというと、赤坂のカフェインソムニアで飲んだものがこれまでで一番美味しかった。
また飲みたいが、職場が変わったのでちょっと、いやかなり遠い。


家でインスタントを濃く作ってみたけれど何か違う。
分量なのか、クレマっぽい泡なのか、ブレンディだからか。
無性にエスプレッソが飲みたくなり、器具を自作してみることにした。

イメージは圧力鍋。
エスプレッソは深煎り細挽きの豆に高温高圧のお湯を通して抽出する。クレマは抽出時に発生したCO2ガスが圧力によって液体に溶けたものらしい。圧力が解除されて、液体表面に浮き出てきている。
高圧化では沸点が上がるため、要は圧力鍋の中でコーヒーを煮出せば良いのだと考えた。
エスプレッソマシンだと10気圧、マキネッタは2~4気圧。
この時沸点は200度と120~145度になる。圧力鍋は2気圧だ。マキネッタにはなれる。

圧力鍋は容器に蒸気の逃げ道を作って、そこを重りで塞ぐことで圧力を発生させる。一般的な圧力鍋の分銅の重さは約80g。
必要なのは、容器と、逃げ道と、分銅。

容器:コーヒーのボトル缶
逃げ道:鬼目ナット
分銅:溶かして成形した釣り用の重り(鉛)


コーヒーの粉と水を入れて着火したが、ボトル缶が破裂しないか怖くなり、通常の沸騰時間で消火してしまった。

煮出されたコーヒーを飲みながら思った。これって、トルコ珈琲では?
そうして自作器具はお蔵入りとなり、ミルクパンでトルコ珈琲を飲む今日この頃である。