ungavskyのブログ

内省と情熱の間

モーニング

古利根川の新ルートを走って名古屋の喫茶店を思い出した話。

早起きして新ルート案を試走がてら、朝7時からやっている春日部の喫茶店で、モーニングを食べた。レタスとトマト、パストラミにチキンをしっかり焼いたトースト2枚で挟んだサンドウィッチは美味だった。

 

モーニングは、今より通勤に時間がかかっていた前職の時、週4か5で利用していた。乗換駅と職場近くの店はあらかた把握しており日替わりでローテーションをしていたのだが、余裕がなくなるにつれ一番近いところの常連になっていった。

 

久しぶりのモーニングが予想を超えて美味だった幸せを感じながらこぐ自転車のサドルの上で、今から10数年前、友人の結婚披露宴に出席するために訪れた名古屋の朝を思い出した。

当時、披露宴と2次会で友人たちと騒ぐことは判っていたが、卒業してさほど年月の経っていなかったため目新しさを感じなかった私は、もっと別の方向で初めての名古屋をエンジョイ出来ないかと考えた。今思うと、なぜ素直に友人たちと観光できないのか、と。

それはともかく当時の私は、仕事終わりに新幹線「こだま」(各駅停車だからそれなりに時間はかかるが安いプランが幾つかある)に飛び乗って22時過ぎに名古屋入りをし、翌日10時過ぎの披露宴会場入りまでの時間で、名古屋名物のモーニングをハシゴすることにした。ホテル周辺のモーニングはビジネスマン向けで土日はやっていなかったり、やっていても9時以降開店だったりと、店選びに大いに苦労したことを覚えている。ケチだから移動も徒歩か地下鉄だったし。

 

そんなこんなで、最終的には始発前に起床し、下園公園近くのホテルから徒歩で3キロ歩いて、地下鉄東山線 亀島駅近くで早朝(5時半か6時だったと思う。まだ暗い、夜の顔の名古屋の街を歩いたことを覚えている)からやっていた喫茶店(「とも」という店名だったと思う。今、なんちゃらマップとかで調べてもヒットしない)でコーヒーとナポリタンドッグとミニサラダを堪能し、動き出した地下鉄で名古屋駅まで戻り、市場のあたりを通って堀川沿いの「喫茶神戸館」でトーストとアンコとゆで卵を堪能したのだった。

亀島の喫茶店は暗い内からご近所のご老人達が次々と来店し、お互いが顔見知りで飲む物も、読む新聞の順番も、判り合っているにも関わらず、すすんでコミュニケーションを取らないで静かに銘々の時間を過ごしていたのが印象的だった。こんな場所が自宅の近くに欲しいと強く思った。

堀川沿いの神戸館はスマートな中にコーヒーへのこだわりを感じ、いかにもビジネスマンが利用している(と思われる。土曜日の朝だったから街もお店も静かなものだった)雰囲気で好対照だった。

 

こうして開宴前に勝手に満足した私は、歩き疲れた足を引きずりながら、幸福感に包まれて残りの一日をぼんやりと過ごしたのだった。

 

古利根川の新ルートは走りやすく、景色もモーニングも良かった。名古屋の店は思い出の中に残るだけとなったが、春日部の店ならこれからも通うことが出来る。また早起きをしよう。