ランニングポーチ制作日記 それから
尻肉の張りを感じつつ制作者としての愛故に悩み身悶えるという話。
今更だが制作なのか製作なのか決めかねている。
いや、製作なのだろうが、変な自意識がそんなにキッチリした物ではありませんよと顔を出し、制作にすることで生じる創造的な曖昧さに逃げているわけだ。
そんなことは置いておいて。
でもエアタグであっさり見つかって。
遠くに置いてきたら、見つけた人がタグを読み取り電話で連絡してくれて。
ええまあ、面倒なので頭の中でタグは粉砕しました。
ポーチを制作&改良してさぞやランニングが捗っているかと言うと、そうでもなかった。謎の故障でしばらく療養を余儀なくされていた。
きっかけは7月28日木曜の午後。職場で椅子から立ち上がった時に左の太もも外側に張りと痛みを感じた。痛みと張りは徐々に強くなり、腿から尻の下まで違和感を感じる様になり、金曜日は足をかばって歩幅を短くしていた。
痛みに思い当たる節はない。なぜなら直近に運動したのは制作日記3を公開した月曜の夜で、それも4キロ程度のジョギングだから。遅れて筋肉痛が来るのはこの年齢だと当然だけれど、それでも三日後にいきなりというのは遅すぎるし、しかも筋肉痛ではなく張りや痛みとなるとまったくの未経験だ。
で、だ。
考えれば考えるほど左腿に装着するポーチの影響が頭に浮かび、家人に相談したら犯人と断定される。
いや、状況証拠だけで決めつけては捜査をミスリードしますよ。ほかに思い当たるところがないだけで、前述したように三日後にいきなりというのは腑に落ちないでしょう。確かに素人制作だからバランスとかテクノロジーとか人間工学とかメーカー品のタグに書いてあるようなウンタラカンタラはすべて”勘”だけれど、だとしても、ポーチに罪はないじゃあないですか刑事さん。警察署近くで「ギルティ丼」と「ノットギルティ丼」という名のカツ丼を販売したら、売れますかね。
とはいえ、ポーチ以外の原因となるとそれはそれで解明出来ないのは困る。PC作業の姿勢とか、バックパックのバランスとか、歩き方とか。原因を取り除かないと再発する恐れが付きまとうのだから。
痛みの治まるのを待ち、少し長めの距離を走ってみる。
犯人は、ポーチだった。
往路で左腿に違和感が出始めたので、ポーチを背面に回して残りを走り切る。意識しすぎて変な走りになってしまった可能性もゼロではないと思うが、踏み込む時、左腿の筋肉にベルトの圧迫を少し感じた。間違いはないだろう。
作り出した者として最後まで信じていたが、事実は事実。
さて、どう改良するか。
脚のベルトを緩めにすれば大丈夫か。
それとも長くして右腿付け根までぐるっと回してみるか。